ピロリ菌除菌など

ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌の実際

内視鏡で慢性胃炎を確かめることを条件に、保険診療で除菌治療を行うことができます。この初回治療は約9割の方が成功しますが、除菌できなかった場合は二次除菌を試みることになります。

失敗の原因の多くは、薬剤(クラリス)への耐性菌の増加によるものです。

また一部に不適切な飲み方による場合もあります。適切な飲み方とは、除菌の際に胃の中で抗菌力がよく発酵される状況を作ることです。とくに内服時に胃内のPHの中性化がなされていることが大切です。



当院での過去18年間の除菌の成功率は、一次除菌が80%(過去8年間は90%に上昇)、二次除菌が96%(過去8年間は98%に上昇)です。一方、三次・四次除菌(自費)は、他院より転院されてきた方が主体で、実施数は少ないのですが81%に止まります。

そして、およそ1,600人の除菌実施者の中で失敗しても数年後に自然に消失した人(疑陽性であった?)もあり、最終的にピロリ菌陽性のままは、三次、四次まで失敗した3人のみという結果でした。

なお、ピロリ菌除菌の既往がないのに自然にピロリ菌が消失する人がいます。当院では20名の方を把握しています。しかし、菌がいなくなっても安心は出来ません。胃癌のリスクはむしろ高いとされており、内視鏡の遂年検査が勧められます。