※下部内視鏡検査は、事前処置薬が必要なため検査の前に診察を受けていただきます。
症状がないからといって一度も大腸検診を受けたことのない人は、中高年のおよそ7~8割にのぼるといわれています。しかし、大腸癌は癌による死因の女性で1位、男性で2位を占める時代となりました。
50代になった人は、症状がなくても検診を受けましょう。また、近親者に大腸癌の人がいる場合は40歳で検診を受けることをお勧めします。(もし近親者が若年発症であれば30歳以下での検診も)
方法としては、便潜血検査と大腸内視鏡検査があります。
便潜血検査は、便に血液成分が混ざっていないかをみます。もし、その結果が陽性とでた場合は内視鏡検査に進みます。なお、便潜血検査は小さな癌では時に陰性となってしまう懸念があり、逆に肛門由来を拾ってしまう検査でもあります。
初めから保険診療で内視鏡検査を行うこともできます。内視鏡検査では小さな癌を見落とすことがほぼなく、早い時期であればその場で内視鏡切除ができることもあり、こちらをお勧めします。
大腸のポリープは、胃のポリ-プと違って腫瘍性のものが多く、その異型度がステップアップすると癌化の危険が高まります。
その病理組織所見が「腺腫」であれば、大きさが6mm以上になりますと5~8%に早期癌を合併します。そこで5~6mm以上のものは、全てを癌の芽を摘むつもりでその場で内視鏡的に摘除するのが安心です。一方、5mm未満の病変は6mm以上のものより4~5倍多くみつかりますが、成長が遅く数年を経てもあまり変りません。(しかし、一部に速く成長するものが出てきます。)
当院では、みつかったポリープが見た目に腺腫であり、その大きさが2~4mmのものはつまむだけで簡単になくなりますのでこれを行います。また大きさが5~6mm以上であればその場で切りとります*。
*大きさが5~6mmは高周波を使わずに切ります(コールドスネアを使用)。そしておよそ7mm以上になると高周波を使って切りとります。
生の魚を食べた後に強烈な痛みが起きて苦しむ病気です。
一年中発生し、胃と腸の双方に感染し、その比率は2:1と推定されています。しかし実際には腸の場合は診断され難く、それと判らずに治療されていることが多いようです。
胃アニサキス症の場合、急性型は数日で虫が弱って脱落すると症状が改善します。しかし、虫が生きている間は局所のアレルギー反応から耐え難い胃痛が起きて、通常の胃薬や痛み止めは全く効きません。そこで発病1〜2日以内に内視鏡を行って、虫そのものをつまんでとってしまいます。すると、速やかに胃の痛みがなくなります。当院ではこれを随時行っています。